上流階級の政略結婚のために、恋人と別れ、気に染まぬ相手と結婚しなければならないヒロイン、キャロライン。
リラの花咲く庭で、キャロラインの婚約披露パーティが開かれます。
彼女は恋人もパーティに招き、彼に最後の別れを告げようとするのですが、婚約者や客人に妨げられて、話すことができません。
一方、婚約者にも、別れを告げなければならない愛人がいるのですが、やはり、周囲の目があって果たすことが出来ません。
結局、キャロラインは恋人と話し合えないまま、別れの時がやってきます。客人たちと形式的な挨拶を交わすキャロライン。恋人は彼女に、そっとリラを一枝手渡します。
婚約者と寄り添ってキャロラインは去っていってしまいます。月明かりの下、咲き乱れるリラの薫り漂う庭に、恋人はひとり哀しくたたずむのでした。
参考文献:「バレエ101物語」新書館刊 |