「マノン」ものがたり
(マクミラン版にもとづく)
第1幕  

第1場【パリ近郊の宿屋の中庭】
人々でごった返す宿屋の中庭で、レスコーは修道院に入る妹マノンを待っている。到着した馬車から、マノンと老紳士が降り立つ。老紳士がマノンに執心の様子に気付いたレスコーは、老紳士にマノンの身柄について、取り引き話をもちかける。
その間にマノンは若き神学生デ・グリューに出会い、恋におちる。そしてマノンが老紳士から盗んだ金を手に、ふたりはパリに逃げてしまう。
その場に居合わせ、マノンに興味をもった富豪のムッシューG.M.から、マノンの身請け話をもちかけられたレスコーは、金に目がくらみ、マノンを探し出して、G.M.に引き渡す約束をする。

第2場【パリ、デ・グリューの下宿】
ふたりは、パリのデ・グリューの下宿で暮らしている。父親に手紙を書くデ・グリューの手を止めたマノンは、彼をどれほど愛しているか告げる。
デ・グリューが手紙を出しに行っている間に、レスコーがムッシューG.M.を連れて現れ、G.M.はマノンに愛人関係を迫る。マノンは、G.M.からの高価なプレゼントに心を奪われ、愛人になることを承諾する。

第2幕  

第1場【高級娼館でのパーティ】
ムッシューG.M.が催すパーティで、デ・グリューと再会したマノンは、G.M.の富からの誘惑とデ・グリューへの愛との板ばさみで、動揺が隠せない。「一緒に帰ろう」と言うデ・グリューに「カードの勝負で、G.M.からお金を巻き上げて」とカードのいかさま勝負をさせるが、いかさまを見破られしまい、マノンを連れて慌てて逃げ出す。

第2場【デ・グリューの下宿】
下宿に戻り、再びお互いに愛を告白し合うが、ムッシューG.M.が警官とともに現れ、マノンは売春の容疑で逮捕される。その後の争いでレスコーは殺され、マノンは、国外追放で流刑地ニューオリンズに流されることになる。

第3幕  

第1場【ニューオリンズの港】
マノンは、売春婦としてアメリカへ追放され、デ・グリューは夫だと偽って後を追って来る。今度は看守がマノンに関心を示す。

第2場【看守の部屋】
看守がマノンを口説いているところに、デ・グリューが踏み込み、看守を殺害する。

第3場【沼地】
マノンとデ・グリューは、ルイジアナの沼地へ逃げ込むが、逃避行のうちにマノンは倒れ、ついにデ・グリューの腕の中で息絶える。

参考文献:「バレエ101物語」(新書館)/英国ロイヤル・バレエ団'99年来日公演パンフレット