(マクミラン版にもとづく)
●市場
ヴェローナの市場。モンタギュー家の息子ロメオは、ロザラインを口説こうとするが失敗。友人のマキューシオ、ベンヴォーリオに慰められる。
朝の市場は、人々が集まり活気づく。対立するキャピュレット家の甥ティボルトと、ロメオの友人たちの間で始まった口論が、両家の人々や、キャピュレット公、モンタギュー公まで加わった乱闘に発展する。
ヴェローナ大公が現れ、争いを止めさせ、両家はしぶしぶ和解する。
●キャピュレット家、ジュリエットの部屋
人形を手にジュリエットは、乳母を相手にふざけている。両親のキャピュレット公夫妻が、ジュリエットに求婚しているパリスを伴い入ってくる。パリスを紹介され、はにかむジュリエット。
だが、彼らが出て行った途端、また人形を手にふざけようとして、乳母にたしなめられる。
●キャピュレット家の門前
キャピュレット家で開かれる舞踏会に、次々と客が到着する。ロメオ、マキューシオ、ベンヴォーリオも仮面をつけ、顔を隠し、ロザラインを追って舞踊会に潜り込む。
●舞踏会
人々が踊っているところに、ジュリエット登場。仮面をつけたロメオたちも入ってくる。
ロザラインを追い掛けるロメオ。パリスと踊るジュリエット。運命の出会いの瞬間は、唐突にやってくる。見つめ合うふたり。
不審に思っている人々の注意をそらそうと、マキューシオとベンヴォーリオが踊り出す。
やがて、ロメオとジュリエットふたりきりになり、ロメオは仮面を外す。その様子を見ていたティボルトは、ロメオがモンタギュー家の息子であることを暴露し、追い出そうとするが、キャピュレット公がティボルトをなだめ、ロメオを客として歓迎する。
●キャピュレット家の門前
舞踏会から客が帰って行く。ティボルトは、ロメオたちのあとを追おうとするが、キャピュレット公に止められる。
●ジュリエットの部屋のバルコニー
眠れないジュリエットは、バルコニーでロメオを想う。
そこにマントに身をつつみ、庭に忍び込んだロメオが現れる。ジュリエットは階段をかけおり、ふたりは互いに愛していることを打ち明け、甘く美しいパ・ド・ドゥを踊る。
●市場
ロメオは、ジュリエットのことで頭がいっぱいで、話しかけられてもうわの空。結婚式の行列を見て、ジュリエットと結婚することを夢見る。
ジュリエットの手紙をたずさえた乳母が、ロメオを探しまわり、やっとのことで手紙を手渡す。
●教会
教会で落ち会ったロメオとジュリエットは、ロレンス神父のもとで密かに結婚する。神父は、ふたりが結ばれることで、両家の争いが終わることを願っている。
●市場
市場の雑踏の中、ロメオにからむティボルト。でも、ジュリエットと結婚したばかりのロメオは、親族になるティボルトとは争いたくない。ロメオの態度に納得できないマキューシオが、ティボルトと決闘をするがやられてしまう。
友人を殺され逆上したロメオは、ティボルトを殺し、ヴェローナを追放されることになってしまう。
●ジュリエットの寝室
初めて結ばれた夜、つかの間まどろむふたり。しかし夜は明け、ロメオは旅立たなければならない。別れを嘆く恋人たち。
ロメオが去るとキャピュレット公夫妻、パリス、乳母が登場。パリスとの結婚を拒むジュリエット。反抗的な態度に両親は怒り、出ていく。
ひとりになったジュリエットは、意を決して、ロレンス神父のもとへ急ぐ。
●教会
ジュリエットは、ロレンス神父に助けを求める。
神父は、ジュリエットに一時的に仮死状態になる薬の小瓶を渡し、仮死状態で埋葬されたジュリエットを、神父からの知らせで戻ったロメオが、ヴェローナから連れ去るという策をジュリエットに授ける。
●ジュリエットの寝室
その夜、パリスとの結婚をどうしても拒絶できないと悟ったジュリエットは、結婚を承諾する。そして、神父から渡された薬を飲み、ベットに横たわる。
翌朝、ジュリエットは仮死状態で発見される。
●キャピュレット家の墓室
棺台に横たわるジュリエット。パリスは、ひとり嘆き悲しむ。ロレンス神父からの伝言とすれ違いになってしまい、真相を知らないロメオは墓室に忍び込み、そんなパリスを殺害してしまう。
そして、ジュリエットの後を追うため、毒をあおる。
ロメオが動かなくなった時、ジュリエットが目を覚ます。ジュリエットは、ロメオが死んでいるのを見つけ、自らもロミオの短剣を胸に突き刺し、命を絶つのだった。
参考文献:「バレエ101物語」(新書館)/英国ロイヤル・バレエ団1997年来日公演プログラム(日本舞台芸術振興会)