壮行会1

 相模原高校は2年から進学コース別のクラス分けとなる。
 我々15期生は全部で8クラスあり、男女比率はほぼ半々。
 A,B,C,D,E組が文系。
 F,G,H組が理系。
 理系に男子が集中する為、文系を選んだ私のD組は男子14名、女子27名という構成だった。
 6月には生徒会役員選挙があり、今まで副会長だった宮崎君は会長に、庶務だった内田君は副会長に当選したが、私は立候補すらしなく、かといって勉学に打ち込むこともない、ぼんやりとした時期を過ごしていた。

 2年D組に横田寿光がいた。
 彼は中学の時は吹奏楽部でトロンボーンをやっていた。
 また洋楽に詳しくビートルズやサイモンとガーファンクル(以下S&G)の話題で盛り上がった。
 そのころ私はフォークソングはそろそろ飽きていて、たまたまNHKFMで特集していたS&Gをカセットテープに録音し、ギターコピーに熱中していた。
 彼らの初期作品はポールサイモンのギター一本の弾き語りが基本で、そこにアートガーファンクルのボーカルが絡むシンプルなデュオだったが完成度が非常に高かった。
 (実際、彼らのカーネギーホールのコンサートはギター一本だけだったらしい。)
 話しの弾みで横田君の家にフォークギターを持ち込み、サウンドオブサイレンスを歌ってみると見事にハモった。
 今まで村松君やヒロツグとチャレンジしたがどうにもうまくいかず、声質の違いを痛感していたのでこれは意外でかつ嬉しかった。

 同じクラスに内田公子がいた。
 細くてきれいで・・・そして合唱大会で聞いた彼女の歌声に魅せられた。
 合唱部の経験があるらしい。
 又、彼女は体操部員だった。
 体育館でレオタード姿の彼女を見つけたときはもうまぶしくてまぶしくて、見続けることなどできず、うつむいてその場を離れた。
 勿論、たちまち好きになってしまうのである。
 しかし、当時のニシジマ少年からすると彼女は高嶺の花というか不釣合いというかどうにも気後れしていて、面と向かって話しをすることができなかった。
 (でも修学旅行の集合写真ではちゃっかり彼女のすぐ後ろに立ってたりする。)

 その年の秋。
 相模原高校の行事としてこれから受験に挑む3年生に対し壮行会が開かれた。
 壮行会といっても中身は単なるバンド大会である。

 「これだ!彼女を誘って壮行会に出よう。」
 「曲は勿論、S&G」
 「彼女をメインボーカルに横田と二人でコーラスをいれよう。」
 「それだけでは寂しいから、バンドメンバを揃えよう。」
 「うーん我ながらすばらしい案だ!」

 そして揃えたメンバは6名

西嶋健一(ボーカル、ギター)
バンドの発起人。音楽部出身。よこしまな動機で壮行会に参加。フォークギター暦3年。
横田寿光(ボーカル)
ブラスバンド出身。いつもテンション高く明るくエネルギッシュ。
内田公子(ボーカル)
合唱部出身。透き通るようなソプラノ。
米内圭子(ドラムス)
吹奏楽部で打楽器担当。共和中の音楽部出身。中学の音楽部交流で彼女を知っていたので勧誘に成功。
高橋香織(ピアノ)
陸上部員。合唱大会で伴奏をしていたのに目をつけ勧誘。「どうして初見で『明日に架ける橋』が弾けるの?」と驚くと「そんなの子供のときから今までずっとピアノを続けてたらあたりまえよ。」といなされる。
理系の助っ人男子(エレキベース)
うーむ。女子の名前しか思い出せない。横田が友達のつてで連れてくる。
 この男子3名、女子3名という構成もなかなかいいなぁ。

 一旦ここで切って次章へ。(^o^!


(C)Ken Nishijima 2004.1