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手術
空が見え校舎が見え地面が見えて気を失った。
気を失ったのはほんの一瞬だったと思う。
気が付いたときは4方を校舎に囲まれた中庭にうつ伏せに倒れていた。
起き上がろうとしたら、駆けつけてきた保健室の先生に
「動いちゃだめ」
と怒られた。
学校内は突然の事件に騒然となり、廊下を走る物音や、「おちたぞー」「生きてるのかー」「いま少し動いたぞー」「救急車は呼んだのかー」といったせりふが耳に届いて来た。
間もなく救急車が到着し、学校の隣にある国立病院へ行った。
すぐ脳外科へ運ばれ、頭のレントゲン写真を何個所もとられたが、どこも異常はなく本人の意識もはっきりしていた為、命に別状はないという結論が出た。
そうなると急患待遇は解け、通常の患者扱いとなる。
そして時刻は昼休みに入り、担架の上のニシジマ少年は廊下に放置された。
その頃から右手首に強い痛みを感じるようになった。
どうやら骨折していて、骨が一部突き出しているらしい。
午後になって、整形外科に回され診察を受けると、右手首複雑骨折、左手首単純骨折、前頭部打撲、口内出血という診断が出た。
どうもさかさまに落ちて、両腕と頭から地面に突っ込んだようだ。
「なんだぼうず。3階から落ちたんだって。まあ骨折で済んでよかったなあ。どれどれ、左は単純骨折だから引っ張ればくっつくだろう。そーれ。」
「ウギャー」
「ほーらついた、はいギプスまいといて」
「右はだめかなぁ、骨が出っ張ってるもんなぁ。でもためしに引っ張ってみっか。そーれ。」
「ウギャギャギャー」
「もういっちょ、そーれ。」
「ウギェー」
「やっぱりだめだな、それじゃあ手術の準備して。」
(オイオイ、カンベンしちくりー)
そして、右手首にメスが入り、現在の傷痕になるのである。
皆様、くれぐれも勘違いしないようにね。(^_^!

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